ベトナム女子が惚れる“ガーラン”ってこういうこと
「エビ、むいてあげようか?」
そう言って、さらっと私のお皿にエビを置いてくれる彼を見て、ふと思いました。
——あれ、これってもしかして、ガーランじゃん。
ベトナム女子がときめく「ガーラン」って?
**「ガーラン(ga lăng)」**という言葉、知っていますか?
これは、ベトナムで女性にやさしく気遣いができる男性のことを指す言葉です。
たとえば……
- 食事のときにエビの殻をむいてくれる
- 重い荷物をさっと持ってくれる
- ご飯をごちそうしてくれる(しかもスマートに)
- 雨の日に、さっと傘を差し出してくれる
そんなさりげない優しさや気配りに、ベトナム女子はときめいてしまうんです。
日本で言う「レディーファースト」に似ていますが、もっと生活に根ざした自然な振る舞いという感じ。
恋愛対象としても、結婚相手としても「ガーラン男子」は大人気なんですよ。
ちなみにこの言葉は、フランス語の**「galant(ガラン)」**が語源。
フランス植民地時代の名残で、今もベトナム語にこうしたフランス由来の表現が残っているんです。
私の“エビむき男子”はスペイン育ち!?
そして今、隣にいる私の旦那さん。
彼はスペインで育ったからか、とにかく情熱的で、感情表現がストレート。
「今日もかわいいね」なんて、毎日のように言ってくれるし、どんなときも“私ファースト”。
ちょっと照れくさいけれど……本当に、エビもむいてくれます(笑)
私が皮むきに手こずっていると、
「貸してごらん」
とひょいっと受け取って、
きれいにむいて、ソースまでつけて、
「はい、どうぞ」
って。
私がのんびり座っているときには、飲み物を取りに行ってくれたり、料理をよそってくれたり。
その姿は、まさにベトナムでいう“ガーラン”そのもの。
でも、彼はそれを文化として意識しているわけじゃなくて、
「好きだから、当たり前でしょ」
っていう感じなんです。
文化が違っても、やさしさは伝わる
私たちは、文化も言語も育ってきた環境も違うけれど、
一緒に過ごす中で、伝わってくるものがたくさんあると感じます。
たとえば私は、「ありがとう」や「ごめんね」をつい遠慮がちに言ってしまうけれど、
彼はいつも目を見て、しっかりと言葉にしてくれる。
うれしいときは大げさなくらい喜んで、
悲しいときは黙ってそっと寄り添ってくれる。
そんな彼の優しさに触れるたびに、
ベトナムで育った私の「ガーラン」という価値観と、
彼のスペイン的な情熱、
そして日本で暮らしている今の私たちが、少しずつ重なっていくような気がするんです。
文化が違っても、やさしさはちゃんと届く。
むしろ、違うからこそ、思いやろうとする気持ちが育つのかもしれません。
今日もエビは、彼がむいてくれました
食卓で、ひょいとエビをむいてくれる彼を見て、
私はまた心の中でふふっと笑いました。
「やっぱり、ガーランだわ」って。
やさしさって、大きなサプライズじゃなくていい。
何気ない毎日の中で、ふっと心を軽くしてくれるもの。
ベトナム女子が“ガーラン男子”に惹かれるのは、
きっと「大切にされたい」という気持ちの、自然な表れなのかもしれません。
そして私は今、
**世界のどこにいても通じる「思いやりのかたち」**を、
エビの皮をむくしぐさから、毎日教えてもらっている気がします。
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